@phdthesis{oai:uec.repo.nii.ac.jp:00000930, author = {左, 志峰 and Sa, Shiho}, month = {2016-09-15}, note = {2013, 衝撃波と渦の干渉が,超音速航空機やロケットより発生する騒音の原因の一つであることはよく知られている.超音速流れでは多数の渦と複数の衝撃波が相互に干渉するため,流れ場は非常に複雑となり現象を理解するには多大な困難が伴う.超音速航空機やロケットなどの機体表面近くには渦構造が存在していることが知られており,その壁近傍圧縮性渦が衝撃波を通過する際の現象の解明は工学的観点から重要な研究である.しかし,衝撃波が存在する高速流れに対する低速流れ渦運動また表面近傍の境界層の影響をどのような計算方法で正確に取り扱えるか知られておらず,特に非定常問題では,これまでのところほとんど行われていない.さらに空気力学音響問題の観点からは,微弱な音響場と複雑変形衝撃波のダイナミクスを同時にとらえることは大きな困難がともなうと考えられている.本研究では,この複雑な流れ場を解明する第一歩として平面衝撃波と壁近傍の単独渦が干渉する流れ場についての数値計算を行う。 流体騒音の数値解析(Computational Aeroacoustics,CAA)は,高精度計算法の開発とともに計算機性能の向上と並列計算の普及に伴って近年目覚ましい成果があげられた.微小な圧力変動である流体音を精度良く解析するには高精度の計算スキームが不可欠である.衝撃波は非常に急峻な圧力の跳びを伴う波である.数学的には,衝撃波は不連続的に圧力が変化する面で表される.近年,非線形スキームが構築され,数値振動を生じさせることなく高精度でその不連続波を捕えることに成功した.例えば,本研究で用いた重み付き非線形コンパクトスキーム(Weighted Compact Nonlinear Scheme,WCNS)やWENO スキームである.また,リーマンソルバーにおける流束評価法にも,全速度スキーム(All-Speed Scheme)と呼ばれ,低速流れにおける低散逸という性質を有する新しい近似リーマン解法が使えるようになった.本研究で用いたSLAU2(Simple Low-dissipation AUSM)はそのひとつである. このような背景のもと,本研究では新しい計算法の枠組みを開発し,WCNS と四つの流束評価法(FVS とFDS とAUSM+とSLAU2)の組み合わせの特性を詳細に調べた.その結果に基づき,低マッハ数から高マッハ数が共存する流れに優れた全速度スキームSLAU2を流束評価法として選んだ.衝撃波と壁近傍渦の干渉を研究対象とし,CAA として現象を詳細に解析した結果について報告する. 各章の概要は,以下のとおりである. 第1章では,衝撃波と渦の干渉研究の歴史と現状を概観し,数値計算法の発展と進化を述べる.空力音の理論を説明する.また,本論文の構成についても述べる. 第2章では,非定常圧縮性ナビエ・ストークス方程式の離散手法とNSCBC 境界条件を説明する.渦と衝撃波の初期分布も与える. 第3章では,低速流れおよび低マッハ数から高マッハ数流れが共存する流れ場を対象として,WCNS と複数の流束評価法(FVS,FDS,ASUM+とSLAU2)の組み合わせの計算結果を比較し,本研究で使われたSLAU2 の特性を述べる. 第4章では,中強度衝撃波(Ms=1.29)と渦(Mv=0.39)の干渉DNS の結果を示す.まず,自由空間での干渉を計算し,これまでの実験値や理論値やこれまで計算結果との比較を示す.その後,壁近傍での干渉を計算し,衝撃波を含む流れ場の構造と騒音発生のメカニズムおよび渦の変形を述べる.壁と渦の距離および滑りなし壁面条件の計算結果への影響についても議論する. 第5章では,本研究で得られた主要な成果を総括しており,今後の課題についても述べる.}, school = {電気通信大学}, title = {重み付き非線形コンパクトスキームを用いた衝撃波と壁近傍渦の干渉の数値シミュレーション}, year = {}, yomi = {サ, シホウ} }