@phdthesis{oai:uec.repo.nii.ac.jp:00000846, author = {高田, 恵美 and Takada, Megumi}, month = {2016-09-15}, note = {2015, 人間の生活の利便性や操作性などの向上を目的として,家庭で使われる機器(家電機器)が開発されてきた.一方,多機能な家電機器が住宅内にあふれ,住民(ユーザ)による操作量が増えてしまった.そこで,近年,ユーザに代わって家電操作を実行するホームエージェントが提案されている.従来のホームエージェントの研究では,主に「家電機器の状態,ユーザの状態,ユーザの行動履歴から,ユーザの行動パターンを学習し,家電機器を自動操作(操作代行)すること」を目指している.また,ホームエージェントによる操作代行は,実際にホームエージェントシステムを組み込んだ住宅を用意した実証実験が行われている.しかし,ユーザのためにホームエージェントが操作代行を行うにも関わらず,ユーザ目線が欠けたホームエージェントが多い.ホームエージェントは学習した行動パターンに沿って一方的に操作代行を行い,ユーザの都合を無視している.また,ホームエージェントの評価では様々な被験者での実験が必要であるが,実験では実証実験の環境に被験者が数か月に渡って実際に住む必要があり,多くの評価実験が行えない.本論文は,ホームエージェントによる操作代行に対するユーザの捉え方を重視し,ユーザの行為選好と信頼感に対応したホームエージェントの設計と実効的な評価方法を提案する.ユーザの行為選好とは,家電操作には,ユーザが操作代行を望む操作だけではなく,ユーザ自身の楽しみなどの理由により操作代行を望まない操作があるということである.そのため,ユーザ自身が楽しむための家電操作の存在に着目したホームエージェントの設計が必要である。また,ホームエージェントの操作代行の信頼性に対するユーザの信頼感とは,ホームエージェントの操作代行の性能をユーザが見極めることで,ホームエージェントへの信頼感を持つことにあたる.ホームエージェントはユーザの行動を完ぺきに予測することができないため,ホームエージェントによる操作代行に対してユーザが信頼感を抱くことは重要である.本論文は以下のように構成されている.まず第1章で本論文の目的を述べる.ホームエージェントが操作代行を行うときに,ユーザ目線を考慮することが重要であり,また,ホームエージェントを評価する際には様々な被験者で行うことが必要である.本論文では,ユーザ目線としてユーザの行為選好と信頼感に着目し,それらに対応したホームエージェントの設計を示し,さらにホームエージェントの実効的な評価方法を提案する.本論文では,従来のホームエージェントに対して3つの問題点を示した.1つ目は,家電操作には,操作代行を望む操作だけではなく,ユーザ自身の楽しみなどの理由により操作代行を望まない操作があることに注意していなかったことである.2つ目はホームエージェントの操作代行の信頼性に対するユーザの信頼感を考慮していなかったことである.3つ目は評価実験に時間がかかることである.第2章ではホームエージェントに関する研究について述べ,第1章で挙げた3つの問題点の分析を行う.第3章では,1つ目の問題点に対して,ユーザ自身が楽しむための操作の存在に着目し,ユーザの行為選好の推測方法を提案する.ただし,ユーザの行為選好はユーザの考え方のため,ホームエージェントは知り得ない.そのため,ユーザが行為選好をホームエージェントに指示する必要があるが,ユーザが必ず行為選好を指示するとは限らない.そこで,ホームエージェントがユーザの行為選好を推測する方法を示す.さらに,ユーザの行為選好の推測方法については,ホームエージェントへの適用事例を示す.第4章では,2つ目の問題点に対して,ホームエージェントに対するユーザの信頼性の醸成方法について述べる.従来研究では,ユーザがホームエージェントの性能を見極め,ユーザから指示を出すという過程を通じて信頼感を醸成していくことが提案されている.しかし,ユーザがホームエージェントの予測内容を監視する必要があった.そこで,従来よりもホームエージェントの性能理解とユーザからの指示を容易にするために,人間同士での対話をまねることと,客観的な指標を取り入れ,信頼感の醸成方法の高度化と効率化を示す.第5章では,3つ目の問題点に対して,シミュレーションを用いた実効的な評価手法を提案する.評価実験にシミュレーションを用いることで,評価実験の短時間化ができる.しかし,シミュレーションでは実験者が想定できる典型ユーザでの評価になってしまう点とホームエージェントごとに評価環境を構築しなければならない点という問題があった.まず,被験者の多様性を拡大するためにアンケートに基づいたシミュレーションによる評価方法を示す.次に,一部の修正や追加によって評価環境を作成できるように,ホームエージェントの評価環境に必要な基本構造とする共通プラットフォームを示す.また,アンケートを取り入れることで様々な被験者で評価実験を行える評価方法を示す.第6章では,第5章で提案した評価方法を用いて行った第3章で示したユーザの行為選好の推測方法と第4章で示したホームエージェントの信頼感の醸成方法の高度化と効率化の検証について述べる.第7章では,本研究の成果をまとめ,今後の展望を述べる.以上のように,ユーザ目線を取り入れたホームエージェントの重要性を示し,複雑化するホームエージェントを効率的に評価する手法を提供した.}, school = {電気通信大学}, title = {人間の行為選好と信頼感に対応したホームエージェントの設計と実効的評価に関する研究}, year = {}, yomi = {タカダ, メグミ} }