@misc{oai:uec.repo.nii.ac.jp:00004937, author = {佐伯, 洋祐}, month = {2016-09-21}, note = {2013, ボロンドープダイヤモンド(BDD)の超伝導は基本的にはBCS理論で理解されているが、ボロン濃度変化に伴う転移温度の振る舞いなどは十分に理解されてはいない。超伝導発現機構の解明には格子振動状態や電子状態の観測が有効な手段とされているが、そのためにはボロン濃度がよく制御され、グラファイトなどの炭素同素体不純物の無いBDD試料の作製が不可欠である。そこで本研究ではBDD超伝導物質の物性研究に必要となるボロン濃度の制御された良質なBDD試料を、無機材研型MPCVD装置を用い作製することを目的とする。試料のボロン濃度の制御を行うためにガスソースとしてトリメチルボレイト(TMB)を用いて作製を行い、原料ガスの流量比と実際にドープされるボロン濃度の関係を格子振動状態の観測などにより定量的に調べる。原料ガスにはメタン、アセトンを用いて希釈したTMBを使用し、BDDの作製を行った。試料の評価、観察には顕微レーザーラマン分光、EPMA、SEMを用いた。TMBをアセトンで希釈した場合のBDDのピーク位置とメタン流量の関係を図1に示す。BDDのピーク位置はボロン濃度が高くなるにつれて低波数側へシフトする。この図より試料中のボロン濃度は原料ガス中のBとCの比(B/C)よりも、原料ガス中のメタン流量に大きく依存していることが分かる。これはダイヤモンドの成長速度が高くなることで炭素間の結合に欠陥が生まれ、そこにBがドープされやすくなることが原因ではないかと思われる。しかし、結合の欠陥が増えるということはグラファイトなどの不純物の発生につながってしまい、良質な結晶を得ることが出来なくなる。TMB濃度を変化させ、B/Cを変化させた場合でも濃度の変化は確認できた。これに関しては、アセトンによりダイヤモンドの成長に変化が出たためではないかと考えている。TMBを希釈する溶液を変化させることで、グラファイト成分を抑制しつつ、ボロン濃度を変化させられる可能性がある。}, title = {ボロンドープダイヤモンドのドープ量制御とその物性のボロン濃度依存性}, year = {}, yomi = {サエキ, ヨウスケ} }