@misc{oai:uec.repo.nii.ac.jp:00010028, author = {山城, 愛 and Yamashiro, Ai}, month = {2021-06-01}, note = {2012, ヒトは日常生活で様々な目的を持って行動している. その行動を発現させる脳内過程を知るためには、ワーキングメモリのメカニズムを解明する必要がある. Hazy, Frank & O’Reilly (2007)は, 1-2-AX課題という新たなワーキングメモリ課題を提案し, その課題を正しく遂行させる神経回路の数理モデルを提案した.しかしながら, 彼らのモデルでは,試行錯誤学習が前提となっているため、課題遂行を可能にする神経回路の学習には著しく時間を要する.一方、ヒトは課題ルールに関する言語的な説明を受けることによって, そのルールを理解し短時間で課題を遂行することができる.このように, 言語によるルールの説明を前提としたヒトのワーキングメモリは, 試行錯誤学習とは異なるメカニズムが想定される.  そこで本研究では, 神経解剖学や神経生理学的知見に基づいた神経回路モデルを構築し, 言語的説明による学習を前提とするルールベース学習に基づくワーキングメモリの解明を試みた.なお, ワーキングメモリ課題としては、先行研究と同様に1-2-AX課題を想定してモデル化を行った.  本研究では, 卒業研究において考案した大脳皮質-基底核-視床ループの離散時間モデルを連続時間モデルに変更すると同時に、線条体ニューロンに特徴的な双安定静止膜電位と, Dingら(2008)によって示唆された視床から線条体への短期抑圧性を考慮に入れてモデル化を図った. 構築したモデルを用いて1-2-AX課題の遂行のシミュレーションを実行し, 系列呈示刺激に応じて呈示された情報の保持と消去が適切に行われていることを示すニューロン活動を再現することができた. また, 実際にヒトが言語によるルール説明を受けることで1-2-AX課題を適切に遂行できるか否かを心理実験によって調べた. その結果、多くの被験者は適切に課題を遂行できることが確認されたが、少数の被験者において見られる誤った反応が、構築したワーキングメモリモデルにおける一部の結線削除することで再現できた.  本研究によって, 12AX課題の遂行に関するワーキングメモリの働きを再現する数理モデルを構築することができた. 従来の試行錯誤学習では, 関与するニューロン間のあらゆるシナプス結合の学習を想定しているのに対して, ルールベース学習では, 生得的に備わっているいくつかの階層の異なる基本ループ構造の中から適切な階層のループ構造を選択することによって課題に合わせてワーキングメモリが再編されることが示唆された. このループ構造の選択による学習という新しい概念は, 行動学習に関する認知神経科学に一石を投じるものと考える.}, title = {ルールベース学習に基づくワーキングメモリモデルの研究}, year = {}, yomi = {ヤマシロ, アイ} }