WEKO3
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運転支援システムへの共助の導入と有効性の検証
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
9000000849.pdf (4.5 MB)
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|
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2016-03-25 | |||||
タイトル | ||||||
言語 | ja | |||||
タイトル | 運転支援システムへの共助の導入と有効性の検証 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | open access | |||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||
著者 |
栗橋, 翠
× 栗橋, 翠 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 現在までに研究・開発が行われてきた運転支援システムの多くはシステムユーザ自身の安全確保を支援するものであった。しかし、今後は自ら他車両や歩行者といった他者の安全確保に寄与し、他者と協調的に安全な自動車社会を目指すシステムが必要と考えられる。他者の安全確保を支援する活動が上手く適用されている防災分野では、支援活動を自助・共助・公助の3つに分類しており、これらは適切に組み合わせることでより効果を挙げるとされている。一方で自動車分野に目を向けると、現在までに実用化が進んでいる殆どのシステムが自助に、盛んに研究開発が行われている多くのシステムが公助に分類され、自主的に他者を支援する共助の概念が欠落していることが問題点と考えられる。この共助が欠落している状況を補完性の原理に当てはめて考えると、ドライバは自主的に共助でも解決できるはずのリスクに対しても、システムに管理される公助の支援に依存してしまいリスクの認知や払うべき注意が疎かになる。具体的には安全意識や運転能力の低下が起こり易い環境になることが懸念される。道路上を走行する全ての自動車が完全な自動運転にならない限り、ドライバの安全意識や運転能力を衰退させることは交通事故のリスクを増加させることに繋がってしまう。従って、運転支援システムにおいても防災分野と同様に共助の活動を推進していくことで、ドライバの安全やリスクに対する意識を適切に保ちつつ、ドライバが個々では防ぐことが難しいと考えられるリスクに対しても有効な対策を講じることができると考えられる。本研究では交通システム、特に運転支援システムに共助の概念を導入することで、他者からの支援を受けリスクを回避する受援者、他者が危険を回避する為の支援を行う支援者の双方に与える効果を明らかにし、その有効性を検討した。有効性を検討する為のデータはドライビングシミュレータを用いた被験者実験で収集した。受援者側への効果としては、衝突率と衝突速度を有意に低下させ、右直事故のリスクを有意に低下させることが分かった。適切な警告提示のタイミングを検討する為に行った運転行動の解析結果からは、受援者に安全な運転行動を促すためにはドライバが対応可能だが時間的余裕の少ないタイミングでの警告提示が適しており、あまりにも早いタイミングでの警告提示は再加速等の不適切な運転行動を促す危険性があることが明らかになった。一般的には警告が提示されるタイミングが早いほど、受援者がリスクを回避するための時間的余裕が大きくなるので、リスクを軽減する効果が高まると考えられた。しかし早期の警告提示が必ずしも効果的ではないことが確かめられた。支援者側への効果としては、システムの自動化レベルが増すごとに警告提示成功率が有意に上昇し、ドライバに掛かる心理的負荷は有意に減少することが確認された。しかし、共助の大きな特徴であるドライバの意識に着目すると、リスク目標水準を低下させるような安全や運転に対する好ましい意識変化は、ドライバが自主的に行動を起こすことでより強く表れることが確認された。これらの結果から共助システムは、システムからの支援によってドライバの負荷を軽減しつつ、自主性を残すことでドライバの意識変化に働きかけることができる半自動による警告提示が最適という結論に至った。右直事故以外のイベントにも対処し、受援者と支援者の役割が入り混じるような現実に近い状況下で行った実験では心理的負荷が上昇し、それに対応する為にはシステムの自動化レベルを上昇させる必要があることが確かめられた。警告提示に関する認知・判断・操作のフェーズのうち、認知に関しては自動化レベルを上昇させたとしてもリスク目標水準に働きかけるような意識変化が損なわれないことを確認した。従って、判断のフェーズに自主性を残すことで共助の特性を活かせると考えられる。加えて、判断のフェーズに自主性を残した半自動の運転では完全な自動での運転に比べ、交差点進入時に適切な減速操作が行われていたので、ドライバのリスク目標水準を適切に減少させることが出来たと考えられる。今後、世界的に自動運転機能を有した自動車が普及していくことが予測される。しかし、自動運転機能は最初から完全なものではなく徐々に改善され、普及も段階的に進んでいくと考えられる。従って、完全な自動運転までの移行期間においては、ドライバの運転に対する意識を安全に向けさせ、リスク目標水準を低く保つことの重要性はより一層高まると考えられる。本研究で得られた知見が高機能化・自動化の進む今後の自動車社会において、ドライバの意識を適切に保たせる様々な施策の一助となることを願う。 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(工学) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||
学位授与機関識別子 | 12612 | |||||
学位授与機関名 | 電気通信大学 | |||||
学位授与年度 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 2015 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2016-03-25 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 甲第854号 | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | VoR | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 |