WEKO3
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日本の多文化共生社会に向けてのICTの現状と課題 -日本に在住する外国人留学生のICT利用を中心に-
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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9000000528.pdf (2.0 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-12-03 | |||||
タイトル | ||||||
言語 | ja | |||||
タイトル | 日本の多文化共生社会に向けてのICTの現状と課題 -日本に在住する外国人留学生のICT利用を中心に- | |||||
タイトル | ||||||
言語 | en | |||||
タイトル | Current Use and Future Issues of ICT for Multicultural Coexistence in Japan -Focusing on ICT Use by Foreign Residents and Web-based Support by Local Governments- | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者 |
馬場, 眞知子
× 馬場, 眞知子 |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 近年日本の少子高齢化に伴い,日本に定住する外国人が増加している。2008 年末には外国人登録者数が全人口の1.74%に達しており,多文化共生は様々な分野で,大きな課題となってきている。一方ICT の発達は著しく,特に携帯電話とインターネットに代表されるように生活情報全般においてICT 化が進み,行政のICT 化も積極的に進められている。一般にICT は様々な問題の解決ツールとして,またコミュニケーションツールとしても期待されているが,多文化共生というのは日本にとって新しい概念であるため, ICT が多文化共生社会に向けてどのような可能性を持ち,利活用できるのかという研究は現時点ではほとんど行われていない。また,多文化共生社会は日本の従来のコミュニティの変容をももたらすことが予測されているが,この変容が及ぼす影響についての研究もまだ始まったばかりである。そこで,本研究では,多文化共生社会にむけて,ICT がどのように使われているのかその現状と課題を,日本に在住する外国人の一例として主に外国人留学生のICT 環境の調査と行政Web サイトの調査をもとに,ソーシャルキャピタルという視点を交えて考察した。日本において人々がICT をどのように使用しているかという調査は情報通信白書をはじめ様々な形で行われ報告されている。しかし,これらの情報は日本人に関する内容がほとんどで,日本に定住する外国人に特化した調査はほとんど行われていない。今後ICT を多文化共生における課題のソリューションとして利活用するためには,まず,日本に在住する外国人のICT 環境の実態を知ることが必須である。また、公的な視点からICT を多文化共生にどのように利活用できるかと視点から捉えることも重要である。本研究ではまず日本の多文化共生に関する先行研究について,本研究に関連のある内容に焦点をあて研究分野を概観した。次に,ICT が多文化共生の課題に対していかに利用できるかという視点から, コミュニケーションツールとしてのICT の先行研究のうち,インターネット,携帯電話,SNS に焦点を当て調査を行った。また,これらの多文化共生に関するICT 利用の諸相をソーシャルキャピタルの視点から眺めるために,日本でのソーシャルキャピタル研究やICT との関連について概観した。ICT は多文化共生社会において日本人と外国人のコミュニケーションを補完するものとして期待されていることを踏まえ,在住する外国人とICT について,個と公の立場から調査を実施した。まず個としての外国人の立場から,日本に在住している外国人の個人的ICT 環境について,主に日本に在住している外国人が抱える課題の縮図的な存在として大学や大学院で学ぶ留学生をとりあげ,さらに留学生以外の市民についても調査を行った。調査の内容は,ICT 環境とICT の利用に関する内容で,質問紙による予備調査を経て,広くWeb アンケートを実施し分析を行った。この調査の結果,留学生の場合,特に携帯端末の利用では,携帯電話を電話として使用しメールはあまり使用しないことなど,日本人と明らかに異なっている点があることがわかった。これらの結果をもとに,留学生について面接調査を実施し,コミュニケーションツールとしてのICT の使用についての実態の詳細について質問し,外国人が日本の携帯メールをあまり使用しない理由や,その使用の特徴について明らかにした。携帯メールの使用に関しては,ICT を用いたコミュニケーションスタイルの違い,日本人への遠慮やためらい,母国でのICT の発達状況などの影響が考えられた。これらのことから日本の携帯電話の特殊な発展が日本人のテキストベースのコミュニケーション( CMC :Computer-Mediated Communication)依存に拍車をかける結果になっており,それが日本人と外国人とのコミュニケーションを補完するどころか大きな障壁となることが予想された。しかし一方で,市民に見られるような様々な状況の下で,携帯メールが弱いながらも日本人との紐帯として機能することも明らかになった。また,日本人とのコミュニケーションには,キーパーソンとその交流の場が重要であるとの結果が得られた。すでに技術的には携帯メールの多言語化などが始まっているが,技術的機能が十分活かされるようにするためには,技術だけでなくICT 上のコミュニケーションスタイルの違いなども考慮することも重要であり,ICT を多文化共生社会に向けて活用するときに留意しなければならない点であることが明らかになった。次に公的な場面で把握できるICT として,行政Web サイトについて外国人支援と考えられる項目を抽出し,各都道府県の行政Web サイトについて,これらの項目を使ってユーザビリティ評価を行った。その結果,Web サイトの外国人支援は(1)コミュニケーション支援としての言語的支援,(2)生活支援としてのコンテンツ面の支援,(3)Web サイトの機能面からの支援の3 つに分類できること,また,外国人登録者数の人口比率の高い都県で評価が高い傾向があることがわかった。上述のアンケート調査の結果から,日本に在住する外国人が日本のWeb 上の情報に対して高い信頼があることがわかったが,この信頼を活用して行政Web サイトが情報の発信と提供だけでなく,コミュニケーションの場を提供するなど,外国人のためだけでなく,外国人との共生のための日本人に対しての情報も今後必要であることについての提言を行った。最後に以上のことを踏まえ,多文化共生社会における問題解決ツールとしてのICT の可能性と,多文化共生社会でのICT,主に携帯電話の使用がソーシャルキャピタルに及ぼす影響について考察した。日本の携帯電話はその特殊な発達のために多文化共生社会におけるコミュニケーションの障害となってくる可能性が明らかとなった。しかし,この日本における携帯メール等の特殊な発展の傾向を,在住する外国人・日本人双方が認識して共有することができれば,弱い紐帯でしかないかもしれないが,橋渡し型のソーシャルキャピタルの醸成として期待できることがわかった。コミュニケーションスタイルの違いやこれらのICT の使い方の違いなどを,在住する外国人ばかりでなく,日本人も学ぶような教育の場を設けることが重要である。そしてこの橋渡し型のソーシャルキャピタルが醸成されることが,多文化共生社会にむけての第一歩となり,日本のWeb 情報への信頼の高さと相まって,結束型のソーシャルキャピタルへの移行も可能になるのではないかと考える。 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(学術) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 電気通信大学 | |||||
学位授与年度 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 2010 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2010-09-30 |